もう一度だけでも逢えるなら
 みくさんは、冷たい強風が吹き荒れる中、原っぱの近くにある鉄塔に登り始めた。

 高圧電流が流れている危険な鉄塔。

 酔っているにも関わらず、もの凄い勢いで登っていく。

 水樹の嫌な予感は的中した。



 やめなさい! 早く降りてきなさい! 水樹はみくさんに向かって叫んだ。

 うるさーい! ほっとけー! みくさんは水樹の声に気づき、鉄塔の上から叫んだ。

 その時点の高さは、地上から五メートルくらいのところ。

 みくさんは、水樹の言うことを聞き入れず、どんどん登っていく。

 十メートル

 十五メートル

 二十メートル

 みくさんの姿はどんどん小さくなっていく。
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