もう一度だけでも逢えるなら
 この日から、三人での共同生活が始まった。

 自分の気持ちを押し殺して、自然体でいるように心掛ける。



 水樹は、かなでちゃんの父親代わり。と同時に、天使としての先生。

 私は母親代わり。と同時に、お友達であり、お姉さんでもある。



 水樹との生活にはすっかり慣れたけど、かなでちゃんとの生活には慣れていない。

 それは、かなでちゃんも同じだと思う。

 どう過ごしていいのかわからない様子で、床に正座している時間が多い。

 怖いくらい聞き分けが良くて、とても礼儀正しい。質問すると、ちゃんと答えてくれる。

 泣くこともなく、いつもニコニコしている。

 たまに悲しげな声で、お父さんとお母さんに会いたいとは言うけれど。

 それは致し方ないこと。

 アニメが好きで詳しいようで、テレビのアニメ番組を喜んで見ている。私の家に来た当初の水樹のように。

 食卓は、一応、三人で囲む。

 かなでちゃんの前で食べるのは気が引ける。

 水樹とかなでちゃんはずっと起きている。

 自分だけ眠るのも気が引ける。



 ぎこちないながらも、三人は家族。
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