もう一度だけでも逢えるなら
 水樹とかなでは、六時に家を出た。

 二人とも天使なので、手を繋ぐことが出来る。

 水樹は右手。かなでは左手。

 実の父娘のように、手を繋ぎながら歩いている。

 かなでが背負っているランドセルを見ても、もう悲しいとは思わない。

 微笑ましく見ることが出来る。



「頑張ってね」

「うん。頑張る」

 私は羨ましく思いながら、途中まで見送った。



 かなでは、天使になるための第一歩を踏み出した。



 二人の様子を見たいけど、私は今日も仕事。

 かなでのために働く。

 水樹のために働く。

 自分のために働く。

 私が家族を養う。



 今夜はご褒美として、かなでの好きなアニメを十本借りようと思う。
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