もう一度だけでも逢えるなら
「本当に、いろいろと世話になった」

 水樹が私に向かって頭を下げた。

「お世話になったのは、私のほうだよ」

 上手く言えたかな。涙声だったかな。私の顔はどんなかな。

「いろいろと迷惑も掛けたな」

「別にいいってことよ」

「かなでを頼むぞ」

「うん。任せておいて」

 今の私の精一杯の強がり。
< 165 / 180 >

この作品をシェア

pagetop