もう一度だけでも逢えるなら
 今日は、料理の練習。

 滅多につけないエプロンを身にまとい、水樹さんの好きな、レバニラ炒めとタコ焼きを作る。あと、おにぎりと玉子焼きも。

 美味しく作れるようになるまで、とことん作り込む。

 レバーもニラもタコ焼き粉もタコもお米も卵も大量に買い込んだ。

 青海苔、削り節、マヨネーズ、トッピングもふんだんに。

 鮭、ツナ、明太子、タラコ、昆布、イクラ、おにぎりの具材も。

 これだけあれば、いくら失敗しても大丈夫。
 
 レバニラ炒めとタコ焼きの作り方をプリントアウト。

 まずはレバニラ炒めから。レシピを見ながら調理開始。

 塩が多いのか、コショウが多いのか、味りんを多く入れ過ぎたのか。

 レバーの焼き具合はいいと思うけど、味付けがなかなか上手くいかない。

 味を調えようと、砂糖を入れたら、甘いレバニラ炒めになってしまった。

 不味いなんてものじゃない。

 味付けが難しいレバニラ炒めは後回し。

 次は、タコ焼きを作る。

 新品のタコ焼き器をスイッチON。

 タコ焼き粉と出し汁と卵を混ぜたものを、タコ焼き器に投入。

 千枚どうしでコロコロと。

 屋台のタコ焼き屋さんのおじさんのように、上手に転がせない。

 中は半焼きで、下は焦げ付いている。

 しかも、タコを入れるのを忘れた。

 いつの間にか、キッチンはしっちゃかめっちゃか。

 やっぱり私は料理が下手。

 それでも私は諦めない。

 何がなんでも絶対に、美味しいレバニラ炒めとタコ焼きを作ってみせる。

 水樹さんの舌を唸らせるような味の。
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