もう一度だけでも逢えるなら
「紗優」

「おばあちゃん! 久しぶりだね!」

「久しぶり。紗優は元気そうだね」

「うん。元気だよ。おばあちゃんも元気そうだね。私に逢いに来てくれたの?」

「三十路を過ぎても、独り身の紗優が心配でね」

「最近は、晩婚化が進んでいるから、心配しなくても大丈夫だよ。そのうち結婚するからさ」

「そうかい」

「うん。素敵な男性と知り合ったんだ」

「その人は、水樹さんかい?」

「そうだよ。やっぱりおばあちゃんは、水樹さんのことを知ってるんだね」

「知ってるともさ」

「どうして知ってるの?」

「ずっと紗優のことを見守っているからだよ」

「そうだったんだ。ありがとう。水樹さんの正体を教えてくれる?」

「紗優が五歳の頃、私が話したことを覚えていないのかい?」

「何だっけ……。ごめん、忘れちゃった」
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