冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「は、裸? アリアナも、その……」

「もうここまで。あとは王太子さまに教えてもらうのよ!」


アリアナはそう言うと、「またね」と動揺したまま行ってしまった。


裸って……そんなことしなくちゃいけないの?

初めて知った衝撃の事実にうろたえながらも、『とっても素敵なことがある』というアリアナの言葉を信じることにした。


旅立ちの十日ほど前。
ユノヘスの王太子に嫁ぐことを母に告げると、母は泣き崩れてしまった。

その様子に胸が痛まないわけがない。

でも、サノワのためにはこうすることが一番なんだと何度も何度も話しているうちに、母も少しずつ話を聞いてくれるようになった。


「でも、リリアーヌがどうして……」

「お母さま、それは……」


その質問には答えられなかった。
おそらく母も姉ではなく私に白羽の矢が立ったことの意味を理解している。
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