冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「大げさよ。嫁ぐからには、幸せになる。王太子さまと一緒にね」


私は絶望してはいなかった。
冷酷非道という王太子でも、愛してくれるかもしれないという微かな望みにかけていた。


「ねぇ、それより……子供ってどうしたらできるの?」


私がずっと不思議に思っていたことを尋ねると、アリアナは目を丸くする。


「ちょっと……。そんなことも知らないで嫁ぐつもりなの?」

「えっ、ダメ?」


真顔で聞き返すと、アリアナはあんぐりと口を開け固まってしまう。

変なこと、言ったかしら?


「そんなの王太子さまが教えてくれるわ。でも、愛を感じる、とっても素敵なことがあるのよ」

「素敵って? 詳しく教えてよ」


それだけじゃわからない。
もっとちゃんと知っておきたい。


「は、裸でベッドを共にするのよ!」


アリアナが真っ赤な顔をしてそう口にするので、私も固まってしまった。
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