冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「リリアーヌは、もっと贅沢な暮らしをしてもいい立場なのよ。それなのに、こんなときだけ……」
母は唇を噛みしめ涙をこぼす。
母も第一夫人から理不尽な嫌がらせをされていたと聞いた。
だからこそ、王宮の外で私を育てることを決意したのだと。
『それなのに、こんなときだけ』……と言われ、返す言葉もない。
でも……。
「お母さま。私はサノワの平和が見たいんです。だから、決して嫌々嫁ぐわけではないんです」
不安がないと言えば嘘になる。
いくら愛してくれるかもしれないと希望を抱いてみても、愛してくれるという保証はない。
それどころか、最悪人質として幽閉されこともあるかもしれないし、もしかしたらそっちのほうが可能性が高いかもしれない。
だけど、私は最初から諦めるのは嫌いだ。
王太子さまに愛されるように努力すればいいだけの話。
母は唇を噛みしめ涙をこぼす。
母も第一夫人から理不尽な嫌がらせをされていたと聞いた。
だからこそ、王宮の外で私を育てることを決意したのだと。
『それなのに、こんなときだけ』……と言われ、返す言葉もない。
でも……。
「お母さま。私はサノワの平和が見たいんです。だから、決して嫌々嫁ぐわけではないんです」
不安がないと言えば嘘になる。
いくら愛してくれるかもしれないと希望を抱いてみても、愛してくれるという保証はない。
それどころか、最悪人質として幽閉されこともあるかもしれないし、もしかしたらそっちのほうが可能性が高いかもしれない。
だけど、私は最初から諦めるのは嫌いだ。
王太子さまに愛されるように努力すればいいだけの話。