冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
彼は、私の足の包帯に視線を落としながらそう口にした。

このケガの償いということね……。


『お前のことをもう少し知りたくなった』と言われ、彼も自分を愛してくれるのではないかと、少し期待をした。

でも、ユノヘス国の火事で負傷したから、責任を取ると言っているだけなのだと突きつけられ、胸が苦しい。


しかも……『妃を何人でも持つことができる』という言葉に、胸をぐさりと刺された気がした。
そんなこと、改めて言われなくても最初からわかっていたことなのに……。


だけど、彼にいまだ妃がいないことを知り、もしかして何人も妃を持つつもりはないのかもしれないなんて勝手な期待をしていたので、その落胆は大きかった。


「ありがとう、ございます」


お礼を言ったものの、声が小さくなってしまった。
妃となるなら、愛されたかったからだ。
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