冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
そんなはずはない。

『妃となるかは自分で決めよ』と突き放されてしまった私には、バスチューの言葉がにわかには信じられない。


「それは、王太子さまがお優しいからであって、気に入っていただけたのとは違いますよ」


そもそもじゃじゃ馬なのがバレてしまっているし……。


「リリアーヌさまがおっしゃる通り、シャルヴェさまは実は大変お優しい方です。私にあのとき剣を向けたのは……」

「一国の王太子として務めだからですよね」


私がそう言うと、バスチューは驚いたような顔を見せる。

王太子さまには、国を背負うという強い覚悟があるのだと思う。
だからしたくないことまでしなければならない。

あのとき、バスチューを切りたかったわけでは決してないはずだ。


「そうでございます。そこまでおわかりでしたら、是非シャルヴェさまのおそばでお支えください」
< 108 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop