冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「あっ、あの……」


これを食べろと?

アリアナと食べ物を分け合ったことはあるけれど、男の人とはしたことがない。


「新しいものでないとイヤか?」

「いえ、とんでもありません」


私はそう言ったあと、小さめの口ですももをかじった。


「じゃじゃ馬のくせして随分謙虚なのだな。大きな口でパクリといくかと思ったぞ」


いつもはそうだけど……。

私が初めての行為に動揺していると、残ったすももを彼が食べてしまうので、更に驚いてしまった。


「サノワの甘いすももも食してみたいものだ」

「はい。いつかお越しくださいませ」


こんなにドキドキしているのは、私だけ?


王太子さまがなんでもない顔をして会話を続けるので、私は必死に平静を装った。

そもそも男性と手をつないだことすらないのだから、こうなるのも許してほしい。
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