冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「リリアーヌは、俺と一緒だぞ」

「そう、なんですか……」


王太子さまにそう言われて、少し残念だ。
自分で乗りたかったのに……。


でも、まだ体が完全に回復していないので、連れていってもらえるだけありがたい。

私にこんな格好をするように告げた王太子さまも、いつもの立派な服は着ておらず、サノワでごく一般的な庶民が着ていたような質素な格好をしている。
エドガーもだ。


馬にヒョイッと飛び乗ってみせると、王太子さまは苦笑する。


「お前は本当に……。まぁ、よい。参るぞ」

「はい」


そのまま門へと向かうと思ったのに、王宮の裏のほうへと進む。


「どちらに?」

「裏門から出る。今日は王太子としてではなく、ごく普通の庶民として街に行く。あまり目立ちたくはない」


だから、エドガーしか連れていかないんだ。
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