冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「桜桃だ。リリアーヌはまだ食しておらぬか?」

「はい、ユノヘスに来てからはまだ」

「それなら帰りに摘んでいこう」


そんなこともしてくれるの?

私が落ちないようにと支えてくれる王太子さまの体が密着して、さっきからドキドキしている。
少しうしろからエドガーがついてきているものの、まるでふたりきりのデートのようだ。


「小麦畑も見事です」

「この光景はユノヘスの宝だ。俺はこれを守っていきたい」

「はい」


ユノヘスの兵は強く、負け知らずだと聞くけれど、自分たちから仕掛けることはまずないとも聞いた。

冷酷非道と言われる彼は、この広大な大地を守りたいだけなのかもしれない。


街の入口まで行くと、王太子さまは私を馬から下ろし自分も下りた。
そして、エドガーの馬と一緒に、大きな木に二頭を括りつけ、私の手を握り歩き出す。
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