冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「ここからは歩いていく。リリアーヌは辛くなったらすぐに言え」

「はい」


また少し足を引きずらなければ歩けないけれど、彼はそれもわかっていて、ゆっくりゆっくり歩いてくれる。
しかも、自分の腕に私を寄りかからせ、誘導してくれた。

しばらく歩くと、集落にたどり着いた。すると……。


「シャルヴェさんだー」


数人で遊んでいた子供たちが王太子さまを見つけて駆け寄って来るので驚いた。

しかも、『さん』って、彼が王太子であることを知らないのかもしれない。


「久しぶりだな。元気にしていたか?」

「うん!」


あっという間に子供たちに囲まれた王太子さまは、王宮ではなかなか見せない笑顔を振りまいている。

私もサノワで子供たちの面倒を見ていたので、なんだか懐かしいような光景だった。
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