冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「王……」


いけない。
王太子さまと呼んではいけないことを忘れていた。


「シ、シャルヴェさま」


こんな呼び方をしたのは初めてで、彼と視線を合わせられない。
すると、彼は私に気づき、女の子に視線を送った。


「その子は俺が怖いのだよ。リリアーヌから渡してやってくれ」


そうだったのか……。
たしかに見上げるほどの大きな男の人では、怖いと思う子もいるかもしれない。

私は彼からひとつ分けてもらい、女の子に手渡した。


「ありがとう」


きちんとお礼を言う女の子は、さっきまでとは打って変わって笑顔を弾けさせる。


「シャルヴェさまはとってもいい人よ。怖がらなくていいわ」


王太子としての責任を背負っているときの彼は、たしかに眼光鋭く、怖いオーラを背負っている。でも本当は優しい人だ。


「……うん」


すると女の子は小さくうなずいてくれた。
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