冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「疲れたであろう? 少し長くなりすぎた」


彼は私を抱いたまま馬まで行き、乗せてくれる。
それも、私の体力が回復していないことがわかっているからに違いない。


「平気です。王太子さまと遊べて子供たちも楽し……」

「門を出たら、その呼び方はダメだと言ったはずだ」


でも、周りにはエドガーくらいしかいないし。


「誰も聞いてはおりませんよ?」

「約束を破るのなら、もう連れてこぬぞ」

「えっ、それは……」


こんなに楽しかったのに。
彼が許してくれるなら、また来たかったのに。


「なんと呼ぶんだ?」


私の背中に密着するように馬にまたがるシャルヴェさまは、耳元でそう囁く。


「シ、シャルヴェさま……」

「そうだ。王宮に帰ってからもそう呼べ」

「そんな、無理です!」


こんなに恥ずかしいのに、いつもだなんて。
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