冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
シャルヴェさまが思わぬことを言いだすので、ドクドクと鼓動が速まってしまう。


「かしこまりました。なにかあればお呼びください」


エドガーは私たちに頭を下げて、離れていった。


「リリアーヌ、ほら」


シャルヴェさまは赤く熟れた桜桃を取り、私の口の前に差し出す。


「ありがとうございます」


それに手を伸ばすと、「食べさせてやると言っているんだ」と言われ、目を丸くする。
すもものときもそうだったけど……やっぱりこれがユノヘスの習慣なの?

そう思った私は、素直に口を開き桜桃を入れてもらった。


「甘い」

「なかなかいい熟し加減だ。次はリリアーヌの番だぞ?」

「……はい」


桜桃の木はさほど高くはなく、シャルヴェさまは余裕で実に手が届いた。
でも私は、背伸びをしてやっと触れるくらいだ。
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