冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
もうひと伸びしたいところだけど……足が痛んでできない。
すると……。


「あっ……」

「ほら、これで届く」


シャルヴェさまが突然私を抱き上げた。


「……はい」


こんなことをしなくても、自分で取ったほうが早いのに……。
それに、彼に触れられるたび、心臓が暴走してしまって、全身が真っ赤に染まる。


「ほら、食わせてくれ」


下ろされた途端、今度はそう要求されて、やっぱりドギマギしながら彼の口に桜桃を入れた。


「うん、これならジャムになりそうだ」


シャルヴェさまはそう言うと、いくつか実をもぎ、私の手に乗せる。


「あとでエドガーに運ばせよう」

「はい」

「少し休むか」


すぐに帰るのかと思ったけれど、シャルヴェさまは私を誘って、木の下に座る。
そして、隣に座った私の腰を抱くので、緊張しすぎて顔がこわばる。
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