冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「俺はこの手でたくさんの命を切ってきた」

「はい」

「これからも、切るであろう」


シャルヴェさまの言葉に胸が締め付けられる。
でも、大国の君主として手を下さなければならないこともある。


「わかって、おります」


おそらく彼は、さっき私が顔をそらしたことを気にしている。


「お前もヤニックと一緒にサノワに帰るがよい。お前はユノヘスの民を救ってくれた。サノワの護衛は約束しよう」


今になってどうしてそんなことを言うの? 
はっきりと決心が固まったのに……。


「なぜですか? 傷だらけの妃は、おイヤですか?」

「そのようなことは、関係ない。ここにいると、お前の心の傷が増えてしまう」


心の、傷?


「お前は我が妃となるには優しすぎる。ここにいたら、お前はそのうち自分の命を差し出して誰かを守るであろう。さっきもそうだ。俺からあの男を引き離すために、わざと人気のない方へ向かったのだろう?」
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