冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
私は正気だった。

今すぐ戦いがなくなるとは思えない。
でもそうやって努力していかなければ、いつまで経っても血なまぐさい世は終わらない。


「それは理想論だ」

「わかっております。でも理想を掲げることこそ、国を導かれるシャルヴェさまのお仕事ではありませんか?」


もしかしたらとんでもなく失礼な言葉だったのかもしれない。
でも、言わずにはいられなかった。


「先日、シャルヴェさまと遊んでいた子供たちの目は輝いていました。シャルヴェさまが彼らを大切にしていらっしゃるのも伝わってきました。どうか、彼らに平和な世をお与えください」

「お前は本当に……。皆、俺を恐れてそんなにずけずけとものを言うものはおらぬぞ?」

「シャルヴェさまはお優しいですから、怖くなどありません」


私がそう言うと、ザーッという水音がした。
湯から出たのかもしれない。
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