冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
バスチューの言葉に、とっさに首を振っていた。
嫌いどころか……。


「シャルヴェさまは、できるだけ人を切らぬとおっしゃっていらっしゃいました」

「えっ……」


そんなことをしたら、シャルヴェさまが危険なのでは?


「それが、リリアーヌさまにできる最後の……愛情の印なのではないでしょうか」

「シャルヴェさまが、本当に私を?」


私に愛という感情を持ってくれているの?

すると、バスチューは大きくうなずいた。


「リリアーヌさまの首が傷つけられたとき、シャルヴェさまは激しくお怒りになられました。あの場にリリアーヌさまがいらっしゃらなければ、あの男を何度も切り刻んだだろうとおっしゃいました」


部屋にこもり、限られた人としか行動を共にしないシャルヴェさまが信頼し、胸の内を吐き出していたのがバスチューだったのかもしれない。

それなのに、そんな人にまで剣先を向けたなんて、最初から私は大切に思われていたのだ。
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