冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「それではこの手を振りほどけますか?」

「えっ?」

「リリアーヌさまが一緒に行かれても、なにもできることなどありません」


そんなことはわかっている。
でも、シャルヴェさまのそばに行きたい。


私は必死にバスチューの手を振り払ったものの、ビクともしない。

それもそうだ。
彼もおそらくエドガーと同じようにシャルヴェさまに剣術の指導を受け、体を鍛えている。

いくら私がじゃじゃ馬でも、幼少の頃からそうした教育をされてきた男の力には敵うはずもない。


「シャルヴェさまがどうして私を置いていかれたか、おわかりですか?」


するとバスチューが声のトーンを落としてそう言うので、首を小さく振った。


「リリアーヌさまがこうして無謀なことをされるからです。リリアーヌさまが傷つくのが、一番お辛いんです。ですから生涯そばにいろと」

「でも……」
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