冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
クスクスおかしそうに笑うシャルヴェさまは、ちょっとイジワルだ。少しくらい自分で動いてくれてもいいのに……。

でも、このままでは永遠に終わらないと思った私は、意を決して彼の背中を見つめた。

さっきあの傷に頬をうずめたときは恥ずかしくなどなかったのに、彼が薄い布一枚をかけているだけで、一糸纏わぬ姿だと意識した瞬間から、緊張をコントロールできなくなった。


それから数回湯を掛けると、「気持ちがいいよ」と少し色気のある声で囁かれ、私の手は止まった。


「あの、もうよろしいですか?」


一刻も早くここから逃げ出したい。


「そんなに急がずとよい。そのうち一緒に入るのだからな」

「一緒に!?」


驚きすぎて大きな声が風呂に響き渡った。


「お前は俺の妃だぞ?」

「そ、そんな話は聞いておりません」


アリアナもなにも言っていなかった。
風呂に一緒に入るなんて、聞いてない。
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