冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「暴れるな。暴れ馬より扱いにくい」

「そ、そんなことを言われましても……」

「お前は俺に守られていればいい」


彼にそう言われ、一瞬にして目頭が熱くなる。
これからずっと彼と一緒にいられるのだと再確認して、胸がいっぱいだ。


「本当、ですか?」

「あぁ」

「私を置いて、死なないでください」

「約束、しよう」


彼が出陣してから、どれだけ苦しかったか。
どれだけ、心配したか。

それでも自分にできることはと必死に考え、バスチューたちの手を借りて、留守を預かる者としての務めを果たしたつもりだ。


でも、そもそもそんな経験もなく、そうした教育も受けていない私には、それが正しかったかどうかすらわからない。
とにかく必死だった。


じわじわと溢れてきた涙は、彼の大きな手にポロポロと零れていく。
< 248 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop