冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「我慢なさってください」

「なかなか冷たいな」

「今はご意見を聞いておりません。医者にならった通りにしております」


私がそう言うと、彼は吹き出した。


「俺の意見が通らないのは初めてだ」

「無茶をなさるから悪いんです」


できるだけ兵を傷つけなかったと聞いている。
だから、そのせいで負った余計な傷も多数あることは承知している。

願いを最大限汲み取ってくれたシャルヴェさまに感謝しながら、もしかしたら彼が命を失っていたかもしれなかったと考えてしまい、本当は泣きそうだった。


「はい、これでひと通りできました。お食事を」


泣いてしまわぬように努めて明るく振る舞い、薬草をつけ新しい布で傷口を覆うと、すぐに食事の用意だ。


「リリアーヌ、食べさせろ」

「えっ……」


思わぬ言いつけに驚き声を上げると、彼は「腕が痛くてな」と素知らぬ顔をして言う。

今まで自由に動かしていたじゃない!
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