冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「ほら、腹が減った」

「……は、はい」


『自分で食べなさい!』と言いたいところだけど、ユノヘスのために必死に戦ってきてくれたのは事実だ。

私は顔が真っ赤に染まっていくのを感じながら、パンをちぎってシャルヴェさまの口に持っていった。


「ここだ」


目を逸らしていたせいでうまく口に入らず困っていると、彼が私の手を誘導して自分の口に入れる。

少しだけ彼の唇に触れた手を、ハッとして引くと、シャルヴェさまは笑った。


「シャルヴェさま、手が動いておりますが?」

「そうだったか? 気がつかなかったな」


彼は私をからかっているのだろう。
とても楽しそうだ。


「もうご自分でどうぞ」
          
「ダメだ。腕が痛くてどうにもならん。今度は肉だ」


彼はそう言うけれど、どうやら笑いが止まらないらしい。
クククと含み笑いをしている。
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