冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
私は仕方なくフォークに肉を刺して再び差し出すと、やっぱり彼の手が私の手を握り、口に入れた。


「手、動いていらっしゃいます!」

「いいじゃないか。リリアーヌに甘えたいのだ」


こんなことを言う人なんだ……。

出会った頃は仏頂面でクスリとも笑わなかった彼が、こんなに笑い声をあげ、『甘えたい』なんて言いだすなんて、意外すぎる。


「リリアーヌも食うか?」

「いえ、私は……」


遠慮したのに、シャルヴェさまは私の腕を引き膝の上に抱き上げたあと、口にパンをちぎって入れてくれた。
でも、そのちぎり方があまりに雑で、しかも大きすぎて、「ゴホッ」とむせてしまう。


「どうした、水か?」


私がコクコクうなずくと、グラスを手に取り渡してくれるのかと思いきや……彼は自分の口に含む。
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