冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ち、ちょっと、イジワル!

と思ったのも束の間。彼は近づいてきて、唇を押し付け……。


「ん……」


ヤケドをしたときと同じように、私の喉に水を送り込んだ。

呆気にとられ、パンを噛むことも忘れていると、「もっと水が欲しいのか?」と言われてハッと我に返る。
首を何度も横に振ると、彼は再びおかしそうに笑った。


「じゃじゃ馬も、恋には疎いらしい。恋をしに来たと宣言したくせしてな」


まだ覚えていてくれたんだ……。

覚えていてくれたことはうれしいけれど、彼の強引な行為に胸の高鳴りを抑えることができない。


「それにしても、リリアーヌは水を飲むのが下手だ」


彼はそう言うと、口に入りきらず首筋を伝う水に唇を押し付けたかと思うと、舌でペロリと舐めてみせた。
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