冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「シ、シャルヴェさま!」


やっとのことでパンを飲みこみ、慌てて彼の胸を押したものの、ビクともしない。


「傷、よくなったな」

「はい。……って! なにをなさっているんです?」


私の体をがっちりと捕まえた彼は、そのまま首筋から唇を離さない。


「なにをって。愛しい女には触れていたいものだ」

「く、首はおやめください」

「それなら、他のところにしよう」


彼は、今度は私の耳朶を甘噛みして、熱い吐息を吹きかけてくる。


「ひゃっ」

「かわいい声も出せるではないか」


思いがけない声が出てしまったと慌て、全力で彼の腕から逃れようともがいたものの、まったく無意味だった。
俊敏さはには自信があったのに、やはり力では敵わない。


「リリアーヌ。俺はお前に恋をしたらしい」

「シャルヴェさま……」

「まんまとじゃじゃ馬の策略にはまったが、少しも悔しくはないぞ」
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