冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「それで、なんだ?」

「はい。死者の弔いをしてくださったそうで、ありがとうございました」


どうやらバスチューの耳にも入ったらしい。


「あれは、リリアーヌの提案だ」

「そうでしたか。ユノヘスの国民として、お礼を申し上げます」

「い、いえっ……」


バスチューは、私に向かって深く頭を下げる。
でも、私がああしたかったのだから、そんなことをしてもらわなくていい。


「リリアーヌはもうユノヘスの国民だ」


すると、シャルヴェさまが放った言葉に、バスチューがハッとした。


「そうでしたね。大広間の兵たちが王太子妃さまに感謝しています」


『リリアーヌさま』ではなく『王太子妃』と言い直したバスチューは、うれしそうに微笑んだ。


「ところで、バスチュー」


今度はシャルヴェさまのほうから口を開いた。


「はい」

「お前に頼みがある」

「イヤールドのことでしょうか」

「わかっているのか」
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