冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ふたりの会話を聞いていても、なんのことかさっぱりわからない私は、首を傾げるばかり。


「イヤールドを統治せよとおっしゃりたいのですね」

「その通りだ」

「あの……統治って?」


私はたまらず口を開いた。


「バスチューにはイヤールドに行き、君主として国民を統治してもらう。無論、イヤールドに足りない物資はユノヘスが援助をし、農業についての知識も伝えていく。いずれはイヤールドがひとつの国家として、他国を侵害せずとも成り立つように導くつもりだ」

「そんな……。それじゃあ、バスチューは、いなくなってしまうの?」


私は慌てた。

バスチューはもはや家族のような存在。
その彼がいなくなるなんて……。


「そのようにおっしゃっていただけて、私は光栄です。シャルヴェさまは私などいなくても、リリアーヌさまがいらっしゃれば、そのお力を十分に発揮されるでしょう。今まで、少々自暴自棄なシャルヴェさまが心配でしたが、守る者ができた男は強くなれるのですよ」
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