冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
バスチューがそう言うと、シャルヴェさまは苦笑しながらもうなずく。


「でも、バスチューがいなくなるなんて……」

「今生の別れではございません。イヤールドの再建によい知恵がありましたら、是非拝借したい。それに、いつかおふたりで、豊かになったイヤールドにお越しください」

「そうしよう」


そう口にしたシャルヴェさまがバスチューに手を差し出すと、バスチューはそれをがっしりと握った。


「お前がいてくれたから、ここまでやってこられた」

「それを言うなら私です。シャルヴェさまのおそばにいられて幸せでした。傷ついた兵の手当てが終わりましたら、旅立つ準備をいたします」

「頼んだぞ」


イヤールドの未来のためには、こうすることが一番いいのかもしれない。
ずっとシャルヴェさまを支えてきたバスチューなら、立派な君主になるだろう。


でも私は寂しさのあまり、肩を落とした。
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