冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
彼はなにかを思い出したのか、目を細め柔らかい表情を見せる。


「でも、遊びたい盛りの俺たちの好奇心は収まらなくて、監視の目を盗んでいかに抜け出すかがスリルのある遊びでな」


それを聞き、思わず笑みが漏れた。

それではサノワの子供たちと変わらない。
勉強を教えていると、いつの間にか姿を消している子が時々いた。


「抜け出せたんですか?」

「あぁ。バスチューが監視の目を引きつけている間に、俺が抜けてここによく来てた」


ここは思い出の場所なのね。


「見つからなかったんですか?」

「見つかったさ。バスチューと一緒に、ランシャンに何度も尻を叩かれた」

「あはは」


やはりランシャンは怖いらしい。
今のシャルヴェさまからは到底想像もつかない。


「でも……」


再び口を開いた彼はキリリと眉を上げる。


「ここでいつも思ってた。この街は俺が守ると」

「シャルヴェさま……」
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