冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
私はそれを聞いて、一瞬呼吸をすることすら忘れそうだった。

なにより国を大切に考えていた彼が、私をそれ以上に思ってくれたのだと、目頭が熱くなる。


「私は、シャルヴェさまのおそばが幸せです」

「あぁ。もう二度と離さない」


そして、もう一度唇が重なった。


それから再び街を眺めていた。
こうしていられるだけで幸せだ。

彼とは遠くにうっすらと見える海に、いつか一緒に行こうと約束もした。
そして……。


「そろそろ帰ろう」


シャルヴェさまの言葉に頷いたけれど、本当はずっとこうしていたかった。

王宮に帰れば、王太子としての顔に戻る。
いくらふたりきりのときは甘いとはいえ、彼の肩には国という大きな荷物がどっさりと乗る。

戦いのあとの束の間の休息はすぐに終わり、また、責任ある立場で動かなくてはならない。

そんな彼が少し気の毒でもあり、誇らしくもあった。
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