冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
王宮に戻ると、軽傷の兵士は自分の家に戻ったあとで、大広間はグーンと人数が減っていた。


「リリアーヌ。少しバスチューと話をしたい。ここを頼んでもいいか?」

「もちろんです」


おそらくイヤールドの今後について話し合うのだろう。
ずっと大広間の指南役をしていたバスチューに変わると、すぐにコールがやって来た。


「バスチューは、イヤールドに行くんですね」

「はい。寂しいですが……」


コールも長い付き合いのはずだ。
同じように寂しく思っているに違いないと思ったのだけど……。


「これで、平和な時間がやってまいりますね」


コールがあまりに清々しい顔でそう口にするから驚いた。


「えっ?」

「イヤールドは何度もユノヘスに戦いを挑んでまいりました。そのたびに何人もの兵が死にました。私の夫も、です」

「そうだったの?」


初めて聞いた事実に、衝撃を覚える。
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