冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
シャルヴェさまに鼻で笑われてしまった私は口を尖らせたけれど、それも一瞬のことだった。
それは彼が私をサッと抱き上げ、ベッドに連れていったからだ。


「リリアーヌ。震えているぞ」


余裕の顔で私を見下ろすシャルヴェさまは、頬を大きな手で触れ、ニヤリと笑う。


「震えてなど……」

「こんなに震えているじゃないか」


必死に虚勢を張っても、実際に体に触れられている今、嘘は簡単にバレてしまう。


「や、役割は承知しております。お好きにどうぞ」


私は意を決して目を閉じた。

もしかして自分で脱ぐの?
もっと細かなことまでアリアナに教えてもらうべきだった。なにもわからない。


「あはは、『どうぞ』と言われても。一体どんな教育を受けてきたのだ。大の字になって寝そべっていればいいと?」


シャルヴェさまがそう言いながらクククと笑いだしたので、ゆっくり目を開けた。
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