冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
アリアナはこんなこと言ってなかったわ!

目の前で艶めかしい色気を放ち始めた彼に、クラクラする。
混乱の中そう尋ねたものの、彼は答えることなくニヤリと笑う。


「ゆっくり教えてやる。まずは、唇を重ねるのだ」


そう言った彼は、私の唇に柔らかい唇を押し付けた。


「ん……」


突然のことに驚き、慌てて彼の胸を押し返そうとしたものの、ビクともしない。
けれど、唇を重ねるという行為はとろけそうに気持ちがいい。

でも、彼が『まずは』と言ったのが気にかかる。
これだけではないの?

混乱してなにも言えなくなった私は、離れてはまた触れる彼の唇の感覚に酔いしれていると、今度は彼の舌が唇を割って入ってきたので、ビクッと震える。


「シ、シャルヴェ?」

「息が苦しいか? 鼻でするんだぞ?」


そうじゃ、なくて……。
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