冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ほんのり白濁したお湯の入った湯船は、おそらく十人は軽く入れる。

王宮ってどこもこんなにすごいの?

いや、大国のユノヘスだからかもしれないけど……。


「私、すごいところに来ちゃったみたいね」


思わず本音が口をついて出てしまう。

ユノヘスが力を持った大きな国だということは知っていたけれど、想像を超えていた。


それでも、お湯につかるとリラックスできる。
白濁したお湯は少しぬるぬるしていて、サノワでいつだったか入ったことがある温泉を思わせた。


「王太子さま……」


『ただの人質だ』とバッサリ切られたけれど、一生添い遂げる覚悟はある。


「恋、できるかしら」


いきなりバスチューに剣を向けた彼に驚いたけれど、結局許してくれた。
怖いばかりではない、きっと。

私はお湯につかりながら王太子さまのことをぼんやりと考えていた。
< 50 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop