冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ハッとして彼の腕を離したけれど、彼はもう一度ベッドに入り、さっきと同じように抱きしめてくれる。


『王太子さま……ありがとうございます』


声は出せないけれど、彼の計らいに感謝せずにはいられなかった。


「コール」


王太子さまはそれからコールを大きな声で呼んだ。


「はい。お呼びでしょう……申し訳ありません」


コールはすぐに入って来たものの、私たちが抱き合っているところを見て慌てて出ていこうとする。


「コール。リリアーヌに水を」

「はい。かしこまりました」


こんな姿を他の人に見られたなんて、恥ずかしい。

とはいえ、王太子さまを引きとめたのは私だ。
それに、彼の腕の中は温かくて、安心する。

しばらくして水を持ってきたコールは、悪いと思ったのか顔をそむけながら、ベッドの横のテーブルに水を置いた。
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