冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
なに? どうしたらいいの?

こんなことをされたことがない私は、愕然として彼を見つめることしかできず、口はギューッと閉じたまま。


――ゴクン。

すると結局、王太子さまが飲みほした。


「リリアーヌ、口を開けるのだ」


そんなこと言ったって……無理よ。
恥ずかしくてたまらない。

フルフルと首を振ってみたものの、王太子さまは「ダメだ」と許してくれない。


「お前を殺したくない。言うことを聞いてくれ」


彼にそう言われては、受け入れざるを得ない。

そもそも彼は、自分で水を飲めない私を思ってこんなことをしてくれているのだ。

王太子さまがもう一度水を口に含み近づいてくると、私は意を決して少しだけ唇を開いた。
すると、その隙間からチロチロと水が入ってくる。
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