柏木達也の憂い

早く美智子さんに相応しい男になりたかった。

その一心で、それまでは頭でっかちだったけど、仕事にもがむしゃらに取り組めるようになった。すると、どんどん大きな案件も任されるようになってきて。

嬉しいことに、2年くらい経った時には、俺指名で仕事をもらえることも出てき始め、そろそろ美智子さんとの将来を考えたいと思っていた。

だけど、今の会社にいたままだと、いつまで経っても美智子さんの方が先輩なんだ。

美智子さんよりも稼げる男になりたかった。

きっとそんなことはないけど、美智子さんが仕事を辞めたとしても、家族まるごと養える甲斐性のある男になりたかった。


だから、俺はあるコンペにかけたのだ。

ここのコンペで賞がとれたら独立しようと。
< 18 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop