柏木達也の憂い

「たまんないって・・・」

その言葉から感じたのは、もう俺に対する愛情がないだけでなく、嫌悪に近い感情を持たれている、ということ。

今回の受賞で先輩だけでなく同期からもいろいろやっかみを受けることがあったものの、ここまでの感情をぶつけられることはなかった。

それが他でもない、俺が一番喜んで欲しかった人から発せられていると思うと、絶望の淵に立たされているような、そんな気分だった。

しばらく呆然としていたものの、ふらふらと立ち上がったところで

「達也くん、受賞おめでとう。独立も、おめでとう。でも、これで私たちはおしまい。サヨナラ」

とどめの一言をぶつけられた。

ようやくまっすぐに視線がぶつかった瞳からは、やはり強い怒りのようなものが伝わってきて、もう何も言葉にすることが出来なかった。


こうして、俺のしょうもない、独りよがりの恋は終わった。



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