柏木達也の憂い

それから―――――――――――


正直、恋愛なんてめんどくさいと思った。

女なんて“建築家 柏木達也”の名前につられてやってくるだけで、別に俺自身を見てるわけでもないし、俺自身が必要ってわけでもないってことがわかってるから。

だから適当に寄って来る女と、適当に過ごすだけで十分だった。

そこに深い意味もないし、深い感情もない。

恋愛なんて、そんなもんだと思ってた。


だけど、侑里ちゃんと出会ってから。

一生懸命で、楽しそうに仕事の話をする姿が美智子さんに似ていた。

そんな君に必要とされたい。
俺自身を求められたいって
思うようになってしまっていたんだ。

< 38 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop