柏木達也の憂い

侑里ちゃんが戸惑ってるのもわかってながら丸め込むように、そういう関係に持ち込んで。

だけど、ズルい俺は自分からそれ以上踏み込む勇気がなくて、侑里ちゃんに託してしまったんだ。

他の誰でもない、“建築家柏木達也”でもない、俺自身を必要として欲しいという願いを。


そんなことを思いながらもタイミングが悪いことに、海外にチャレンジしたい、という俺の夢の一歩が開けた時で、これまでずっと避けていた深い感情に自分から溺れにいく余裕なんて、気持ち的にも時間的にもなかったんだ。

ただ言葉に出来ない切実な願いを込めて、侑里ちゃんに跡を残すしかできなかった。


俺のことを見て

俺のことを欲して

こんな俺でもいいって言って



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