甘い媚薬はPoison
トイレに向かう杉山の後ろ姿を見送ると、俺は愛梨の方を向いてクンと彼女の匂いをかいだ。
……間違いない。
やっぱりあの香水だ。
「蓮くん?」
愛梨がおどおどしながら俺を見る。
「お前、またあの香水使っただろう?」
俺は愛梨を睨み付けた。
「……あの香水って?よくわからないんだけど」
愛梨は目を泳がせながら惚ける。
嘘をついたってバレバレなんだが……。
俺は愛梨に自分も同じような香水を彼女のじいさんからもらったことを説明して聞かせた。
それでも愛梨は激しく動揺しながらシラを切る。
「……私にはなんのことかよくわからない」
声を震わせながら告げる愛梨の顔は青ざめていて……。
俺に媚薬を使ったことがバレてパニックになっているのだろう。
それに、俺に媚薬が効かないのを不思議に思っているはず……。
そろそろ種明かしして、こいつとじっくり話をしないとな。
「ひとつ言っておくが、あの香水、俺には効かないから」
俺の台詞に驚いたのか、愛梨は目をパチクリさせた。
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