甘い媚薬はPoison
その時、他の女の存在を示す物を見つければ、歩くんの彼女は不審に思うかも……。
今日蓮くんを落とせなければ全部撤収……かな。
もうマイナスな考えしか浮かばない。
シャワーを止め、鏡の中の自分を見る。
おどおどした目に青白い顔――。
怖くて逃げ出したい自分がそこにいた。
でも、ここで逃げるわけにはいかない。
「逃げるな愛梨。今日こそ自分の想いに決着をつけよう」
そう鏡の中の自分を励ますと、シャワーを終えバスタオルで身体を拭き、下着を手に取る。
いつも誰に見せる訳ではないけど、下着はこだわってセクシーな物を身に付けている。
ワインレッドのレースの下着。
これを見たら彼はどう思うだろうか?
いつもの蓮くんなら私の下着姿を見ても、なんの関心も示さないだろう。
私は太ってはいないけど、胸は大きくないし、人に自慢できるようなプロポーションでもない。
ああ……もう考えるな。
ブンブンと頭を振り、ささっと下着をつけると、次は色気の欠片もないグレーの部屋着に目をやった。
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