エリート上司の甘い誘惑
やばい、嬉しい。
私って、節操ないのだろうか。
東屋くんのことも部長のことも、それぞれにときめいてしまう瞬間がある。
選べって、いうけれど。
選ぶって、そもそも何?
好きってどういうことだろう、と酷く根本的なところからわからなくなってくる。
「あ、ちょっとごめんな」
「はい」
あと少しで、東屋くんとの待ち合わせに着こうという時だ。
高見課長の携帯が鳴った。
携帯を手にした途端、目が輝いたので「あ、奥さんだ」とすぐにわかった。
「はい、はいっ。大丈夫、オムツっすね。ドラッグストア寄りますよ」
奥さんと話すその横顔は、職場で見るのとはちょっと違って、敬語でしゃべるとことかやっぱ鬼嫁じゃないのか、と思うけど。
オムツを買って来いと言われてるのに、酷く嬉しそうな顔で本当に好きなんだなあと、傍目にも伝わってくる。