エリート上司の甘い誘惑
私の「好き」は、一体どこにあるんだろう。
すっかり、迷子状態だ。


見つかっても、課長と奥さんのように互いに「好き」だと思えるかどうかは自分の気持ちを確かめる以上に難しい。
両想いってって、まるで奇跡のような事象だと、そう思ってしまうのは、私がまだ失恋のダメージから立ち直れていないからなのだろうか。


東屋くんと待ち合わせするいつもの時計台に着き、くるりと周囲を見渡した時だった。



「さよさん!」



と後ろから声がして、東屋くんが走ってくるのが見えた。



「東屋くん」

「良かった、時間になっても連絡つかないから……」

「あ、ごめん」



慌てて携帯を確認すると、いつの間にか数分時間が過ぎていて東屋くんからの着信が入っていた。
東屋くんの肩は少し弾んでいて、よほど急ぎ足で来てくれたのだとわかる。



「もしかして、探してくれてた?」

「さよさんが遅れるの今までなかったから。もしかして、まだ会社にいるのかと思って」


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