エリート上司の甘い誘惑
「東屋くん、」

「お願い。さよさんを、守れる立場にいたい」



友達なら、気楽に甘えられた。
前のように、弟みたいなタイプでいてくれるなら。


だけどそうじゃないと、男の人なのだと私に教えたのはこの人で。


今答えが出ているのは、彼が伝えてくれた私への気持ちだけで。


守って、と私が甘えていいのはきっと。
この人を「好き」だと答えが出た時だけだ。



「ありがとう、ほんとに」



今は、その時じゃない。
振り払うことはしないけど、ゆっくりと彼の指をほどいた。



「でもほんとに、大丈夫だから」



そうしてポン、と彼の腕を叩く。
同僚同士のやりとりのように、敢えて明るく。


まっすぐに、彼の目を見た。


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